有機栽培でも農薬使える件

農業


生産者の方々は知っていても消費者の方たちは知らないことって結構あったりします。
そのため、「有機栽培」と表示されていると、健康にいいから、というイメージで
購入する方がいると思います。

しかし、有機栽培といっても使うことができる農薬があります。

また、栽培方法としては他に「特別栽培」「慣行栽培」というものがあります。

これらの栽培方法について解説していきたいと思います。



① 有機栽培とは?

「有機栽培」というのは農林水産省が定めている有機JAS規格を満たす栽培方法です。
また、有機栽培と表記できるのは 有機JAS規格に合格した事業者のみです。
合格していないのに有機栽培とかと表示するのは禁止されています。

有機JAS規格を簡単に説明すると、申請前の2~3年間は化学的に合成された肥料・農薬は使用せずにいて、以降も 化学的に合成された 肥料・農薬は使わずに作物を栽培するというものです。

つまり、今まで 化学的に合成された な肥料・農薬を使ってたけど今年からは
有機JAS規格の審査を受けようと思っても通らないのです。

しかし使用禁止なのはあくまで 化学的に合成されたモノであり、
天然物質や天然物質由来のモノは使うことが出来たりします。

有機農産物の日本農林規格の別表2を見てみましょう。
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/yuuki-31.pdf

マシン油エアゾルとかいろいろありますが、これらが有機栽培で使用できる
農薬となります。なので、有機栽培=農薬は使えないというわけではありません。

また、別表1には使用可能な資材を読み解くと家畜の排せつ物からできた堆肥も
使えるようですが、その家畜が食べた餌についてまでは記載されていません。
日本で育成されている家畜の餌の殆どが外国産の飼料を食べています。

また、輸入している外国産の飼料の大半は遺伝子組み換えです。
このことは農林水産省からも出ています。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/zyoukyou/

有機JAS規格 では遺伝子組み換え技術は禁止としていますが、
遺伝子組み換えの飼料を食べた家畜の排せつ物から作った
堆肥は使えてしまうので、矛盾しているような気がします。

② 特別栽培とは?

「特別栽培」というのは


その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。

<引用: http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/tokusai_a.html

ここで言われている 節減対象農薬 というのは、
有機JAS規格で使用可能な農薬以外の 化学合成農薬のことをいいます。

慣行レベルというのは、各地域都道府県のHPに情報が記載していたりするので実施する場合は
自分のいる地域の基準を元に実施します。

例えば慣行栽培で化学肥料の窒素成分100kg、 節減対象農薬 100Lの場合、
化学肥料の窒素成分50kg、 節減対象農薬 50Lで特別栽培ということになります。

なお、無農薬で育てた場合もこの特別栽培に入りますが、「無農薬」と
表示するのは特別栽培のガイドラインで禁止されています。
ただ、農薬:栽培期間中不使用という表記は良いみたいです。
<出展: http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_03.pdf

③ 慣行栽培とは?

「慣行栽培」というのは、いわゆる化学肥料や化学農薬を使って、
安定した収量を取るという一般的な栽培方法です。

では「慣行栽培」 は危険なのか?といわれたらそうではないと
思います。

というのも農薬といっても、散布して良い回数に制限がありますし、
一つの農薬が開発されて世に出るまでは厳しい試験や検査を通る必要があります。

安定した量の食料を供給するために慣行栽培は必要な技術だと思います。

④ まとめ

「有機栽培」「特別栽培」「慣行栽培」についてまとめました。

ただ、美味しいかどうかについては上手な人が作れば美味しいし、
下手な人が作れば美味しくないというのが私の考えです。










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