除草について考える

農業

いつの時代の農家の敵の代表と言われてきている「雑草」。
その雑草の駆除の方法については様々なやり方がありますが、
どれもメリットがあればデメリットもあります。

それでは、除草の方法についていくつか紹介していきたいと思います。

除草剤を散布する

除草剤には草を生やさないタイプと枯らせるタイプがあります。

草を生やさないタイプの場合

草を生やさないタイプの場合、一定期間草を生やさないので、
生えてくる草を抜き取るという作業が無くなります。

種子を直接死滅させているのではなく、発芽・初根してから
作用して枯死させます。

しかし、効果が無くなると、そのタイミングで
種子が発芽すると新たに生えてきます。

既に生えている草には効果が無いため、手作業で抜くか、
草を枯らせるタイプの除草剤を使うことになります。

草を枯らせるタイプの場合

草を枯らせるタイプの場合、
生えている草に散布して枯らせるという効果があります。

しかし除草剤の散布の使用回数上限に達してしまった場合は
手作業で取ったりする必要が出てくるのと、かなり大きく成長してしまった
雑草は除草剤が効きにくいのでこれも手作業で取る必要があります。

熱消毒をする

除草剤ほど普及していない方法ですが、
熱消毒で除草をするという方法があります。

太陽熱消毒

太陽熱消毒とは、文字通り太陽の熱を利用して土壌を消毒するという方法です。
必要な資材を土に混ぜて、畝を立て、潅水をしてマルチを貼る。

あとはマルチの中の温度が太陽熱で上昇し、雑草の種子が熱で死滅する
ということになります。

ただし、消毒する期間は1カ月以上必要であったり、熱の上昇が不十分の
場合は雑草の種子が残ってしまうケースがあります。

蒸気熱で消毒

土に蒸気を当てて雑草の種子を死滅させるという方法があります。


<引用元: http://www.marubun-s.co.jp/product/jjmini/

こちらは農薬ではなく蒸気を使用するため、有機栽培でも使えるようです。
埋没している種子を死滅させるため、発芽しているかどうか関係なく死滅させることが
できるようです。

ただし、種子が死滅する温度の蒸気が届かない深さの種子は死滅できないのと、
かなり時間がかかってしまうので大規模には向いていないと思います。
10aあたり2時間程らしいので、1haの場合は20時間もかかってしまいます。
<参考元: https://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2012/152d0_03_11.html

火の熱で消毒

原始的な方法かもしれませんが、火の熱で消毒、つまりバーナーを使って焼いてしまう方法
もあります。



<引用元: http://www.futawa-net.com/bana/kaen.html

こちらはプロパンガスタイプのバーナーなので火力も非常に強力です。
生えている草はもちろん、種子が死滅する温度の熱が届く深さの種子も
死滅させることができます。

ただし、温度が他の熱消毒と比較してかなり高いため、まず焼いたところの微生物は
全滅すると考えた方が良いでしょう。

また、焼くという作業は火災を招く危険性もあるため、
使える条件が限られてきます。

カルチをかける

これは草の種が発芽して地上に生えてこないうちに、
かき回して死滅させる方法です。

ロジックとしては先程紹介した草が生える前にかける除草剤と同じ
ですが、カルチの場合は何度も掛ける必要があります。

なぜかというと、除草剤の場合は対象が散布した全面で、効いている期間がありますが、
カルチの場合はカルチを掛けた場所だけ+そのときに引っかかった種子だけになります。

乳酸菌が入っている微生物資材を使う

あまり知られていませんが、乳酸菌は種子の表皮を柔らかくして発芽を促す効果があります。

ということは、発芽しても光合成ができないような地下で休眠している種子も発芽させて
しまえば、光合成が出来ずに死滅してしまうわけです。

資材としてはカルスNCや、あとは乳酸菌もみがらぼかしですね。

これを使って除草が不要な耕作地を作っている人もいたりします。

一番良いのは草が生えない土壌を作ること

というわけで除草方法について紹介してきました。
なお、草刈り機等は除草ではなく草刈りになるので今回は除外しました。

最も、除草をするのは草が生えてくるからなので、
草が生えない土壌にしてしまえばその労力は不要になります。

なので、草が生えない土壌を作ること、つまり乳酸菌を使った
除草対策が最強の雑草対策になるかと思います。







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