温暖化している2060年の日本の農業を考える

高温障害

近年、地球温暖化によって日本の年間の平均気温が上昇してきています。
そして、2060年には現在よりも3℃気温が上昇する場合があると言われています。

では、気温が3℃も上昇した場合、
農作物にどのような影響を及ぼす可能性があるのか見ていきましょう。

高温障害

高温障害というのは、作物が高温の影響を受けて障害が発生して、収量や品質の低下が
発生することをいいます。

水稲の高温障害

水稲が高温障害を引き起こすと、胴割粒や白未熟粒が多発します。
胴割粒とは以下の様な米をいいます。

<引用: https://www.ricepier.jp/%E3%81%8A%E7%B1%B3-%E9%9B%91%E7%A9%80%E8%BE%9E%E5%85%B8/%E7%8E%84-%E7%B1%B3-%E3%81%82%E3%82%8C%E3%81%93%E3%82%8C/%E8%83%B4%E5%89%B2%E3%82%8C%E7%B2%92/

お米の内部に亀裂ができています。
そして、白未熟米というのは以下の様な米の事を言います。

<引用: https://www.ja-okayamahigashi.or.jp/einou/suitou/00001843.html

白く濁っている部位によって名称はありますが、全般定期にこれらの米の事を
白未熟米 と言います。

これらの米が混ざっていると、米の等級の低下が下がり、価格も安くなってしまいます。
そのため、同じ修了を得ても価格が安いため予定した売り上げを大幅に下回る場合が
あります。

トマトの高温障害

暖かいところで育つトマトにも高温障害があります。

トマトは実をつけるために受粉作業を行う必要があります。
しかし、高温になると花粉の機能が低下するため、受粉率も低下します。
受粉しないということは、着果もしないので、着果不良になります。

また、着色不良というのもあります。
トマトの赤色の成分はリコピンですが、リコピンは高温の状態では生成されにくい
とされています。そのため、高温の場合は着色不良となります。
当然のことながら、品質は低くなるため単価も安くなってしまいます。

<参考元: https://www.ishiguro.co.jp/farm/201207/post-74.html
<参考元: http://suikouqa.blog.fc2.com/blog-entry-271.html
<参考元: https://www.seiwa-ltd.jp/labo/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88%E3%81%A0%E3%82%88%E3%82%8A-%E7%AC%AC18%E4%BE%BF-2009%E5%B9%B47%E6%9C%887%E6%97%A5/

みかん、りんご等の栽培適地が変わる。

作物には、栽培に適した年間の平均気温があります。
しかしその年間平均気温が上昇していくということは、
栽培適地も変わるということです。

ウンシュウミカンの栽培適地

ウンシュウミカンの栽培に適した年間平均気温は15~18℃ですが、
2060年に3℃上昇した場合、栽培適地は以下の様に変わるみたいです。


<出展: http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/s_ondanka/pdf/data4-4.pdf

現在の栽培適地が2060年になるとより高温の地域になっていることがわかります。
また、栽培適地より低温であった地域の一部が適地に変わっていますね。

リンゴの栽培適地

リンゴの場合、栽培に適した年間平均気温は 7~13 ℃と結構低い様ですが、
2060年に3℃上昇した場合、栽培適地は以下の様に変わるみたいです。

<出展: http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/s_ondanka/pdf/data4-4.pdf

2060年の栽培適地を見てみると、東日本より南側はほぼ栽培適地外なのがわかります。
また、北海道の殆どの地域が栽培適地になっていますね。

ちなみに、栽培適地外になっている地域はより高温の地域になっているため、
栽培しても高温障害を受けやすい地域とも考えられます。

温暖化する世界でも続けられる農業をやる

以上を踏まえて考えると、2060年にも対応できる農家と対応できずに
辞めてしまう農家が出てくると思います。

既に温暖化は始まっているため、いかにして高温に対応できる作物を
育てて経営を安定させていくかが生きのびる為の鍵だと思います。




コメント

タイトルとURLをコピーしました